動物は命としてより「モノ」扱い

では、どうして「めぐちゃん事件」は、こんな結末をむかえることになってしまったのだろうか? 2度もめぐちゃんを置き去りにすることをパートナーに許した元飼い主に、所有権が認められたのはなぜだったのだろう? 

それはこの裁判が「動物愛護管理法(正式には『動物の愛護及び管理に関する法律』)」の「遺棄罪」ではなく、「遺失物法」の範疇での判決となったからだ。

財布や鞄と同じように、「遺失物」として届けが出された以上、めぐちゃんの所有権は元飼い主にあり、返還しなければならなかった。

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「動物愛護管理法」という法律があっても、人間の「所有物」となってしまえば、動物はひとつの“命”ではなく、“物”として扱われてしまうのだ。

しかし、財布や鞄ならば、3カ月間は警察で大切に保管されるのに、動物は数日で施設に送られ、殺処分されてしまうこともあるのだから、矛盾している。

かけがえのない大切な命として、めぐちゃんはAさん一家から愛されてきた。それは今も同じだ 写真/AさんFacebookより

2019年6月、「動物愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律」が公布された。

それにより、動物をみだりに殺傷した場合の罰則の上限が、懲役5年または罰金500万円(現在は懲役2年または罰金200万円)。虐待や遺棄した場合の罰則が、懲役1年または罰金100万円(現在は罰金100万円のみ)に引き上げられることになる。

動物を殺傷した者に対する厳罰化が進むのは喜ばしいことだが、それでも、相手が人間だった場合の罰則に比べれば、ずい分と軽い。もしも、大切な「家族」である動物の命を、他人に故意に奪われたとしたら、この程度ではとても納得できないのではないだろうか。