高齢のめぐちゃんを返還することが心配

この判決が下ったのが、2018年4月のこと。

元飼い主はAさんに対し、めぐちゃんの即時返還を求めたが、Aさんは応じなかった。

当時、めぐちゃんは14歳。大型犬としてはかなりの高齢だ。2度も公園に置き去りにされたトラウマで、分離不安も強かった。14歳という高齢のめぐちゃんにとって、今さら飼い主が変わることは、精神的にも健康上も悪影響が出るのではないか……。

そう思うと、Aさんはめぐちゃんを手離すことができなかったのだ。

すでに犬を飼っていたAさん一家だったが、めぐちゃんも家族の一員として迎えていた 写真/AさんFacebookより

裁判所の下した判決に従わない以上、いつかは「強制執行」が行われるかもしれない。Aさん家族は、いつ来るかもしれない「強制執行」の不安を抱えながらも、めぐちゃんとの生活を続けることにしたのだった。

「その後、めぐちゃんはどうしているだろう……?」

私も「こりき」というゴールデンレトリバーを飼っている。こりきとの生活の中で、ふとめぐちゃんのことを思い出すこともあった。

ゴールデンレトリバーは、どんなに長生きしても、15~16歳が寿命だろう。どうか、「強制執行」が行われないまま、めぐちゃんが保護主さんのもとで幸せな最期を迎えることができますようにと……ひそかに、そう願っていた。

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が、つい先日のこと。

保護主のAさんが、SNSで「めぐちゃん事件」の結末を報告したのだ。

それは、この事件を知る人たちが何よりも恐れていたであろう、一番悲しい「幕引き」だった