犬を飼いたいという夢を30年越しで叶え、今も「こりき」というゴールデンレトリバーと共に暮らす、漫画家で小説家の折原みとさん。折原さんが以前寄稿した「置き去り犬めぐちゃん事件」が、「強制執行」という形で幕を閉じたことが、12月3日、当事者のSNSに公開されて明らかになった。

人間と動物は一緒に暮らし、互いに心を通わせ、時に家族のように大切な存在になっていく。だからこそ、私たちがいますぐ考えなければならないことが、この事件から浮かび上がってくるのだ。

折原さんの緊急寄稿をお届けする。

6年半前、公園に置き去りにされていた

みなさんは「めぐちゃん」というゴールデンレトリバーのことをご記憶だろうか?

公園に置き去りにされた犬をめぐって、元飼い主と保護主とが所有権を争い、裁判にまで発展したことで話題になった、「置き去り犬、めぐちゃん事件」だ。

この事件に関しては、2018年6月にかかせていただいた記事に詳しいが、簡単に説明しておこう。

2013年6月。東京・吉祥寺の公園で、一頭のゴールデンリトリバーが口輪をはめられ、柵につながれていた。犬を保護した主婦・Aさんは、警察や保健所などに届出をした上で飼い主を探したが見つからず、その子を「めぐ」ちゃんと名付けて家族に迎える。

Aさんは、2013年6月22日つけのFacebookにこの写真を公開し、ゴールデンリトリバーを確保していると飼い主を探す投稿をした 写真/AさんFacebookより
Aさんが飼い主を探すためのFacebook 

が、めぐちゃんの「拾得物」としての期限を迎える10日前、飼い主の女性が現れ、めぐちゃんの返還を要求。めぐちゃんが2度も公園に遺棄されていたことや、それまで3ヵ月近く飼い主がめぐちゃんを放置していたことなどから、Aさんはめぐちゃんの返還を拒否し、裁判で争うことになった。

AさんはFacebookでめぐちゃん返還に反対する署名を集めたところ、6万4000人以上の書名が集められた 写真/AさんFacebookより

結果は、保護主であるAさんの敗訴

犬を置き去りにしたのは、飼い主本人ではなく、交際相手の男性だったこと。遺失物法が定める期限内ギリギリではあるが、遺失物届を出したことなどを理由に、裁判所は「元飼い主が犬の所有権を確定的に放棄したとまでは認められない」と判断したのだ。