コクヨvsプラス、筆記具業界揺るがす「ぺんてる」買収戦争のウラ側

株主はどんな判断を下すのか
加谷 珪一 プロフィール

一連の株式争奪戦を俯瞰的に見ると、ぺんてるを傘下に収めたいコクヨに対して、ぺんてる経営陣が反発しており、プラスに救済を求めているという図式に見える。つまりプラスは買収を阻止するホワイトナイトというわけだが、話はそう単純ではないようだ。

その理由は、ぺんてる経営陣はコクヨの傘下に入ることを一旦は了承しており、当初はその方向性で協議が進んでいたからである。コクヨ側の言い分としては、提携関係を壊したのはペンテル側ということになる。

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食い違う両者の主張

コクヨがぺんてるの株式を取得し、グループ会社化するきっかけとなったのはぺんてる創業家による株式の譲渡である。ぺんてるは非上場企業で創業家が大株主として支配してきたが、創業者の孫である堀江圭馬氏が社長を解任され、堀江氏は持ち株を日本政策投資銀行系の投資ファンドであるマーキュリアインベストメントに譲渡した。

マーキュキュリアのファンドにはコクヨが出資しており、コクヨはファンドを通じて間接的にぺんてる株を所有する形になったが、その後、持ち株はファンドからコクヨに譲渡され、ぺんてるは名実ともにコクヨの関連会社となった。

ぺんてる経営陣はコクヨとの提携を望んでいなかったとされるが、2019年9月24日に行われたぺんてる取締役会ではコクヨへの譲渡が正式に承認され、両社は業務提携を進めることになった。

ところが、ぺんてるの経営陣は水面下でプラスとの資本提携について計画し、この計画がコクヨ側に漏れたことからコクヨが激怒。突如、株式の買い付けを宣言し、子会社化に乗り出したというのが今回の株式争奪戦である。