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コクヨvsプラス、筆記具業界揺るがす「ぺんてる」買収戦争のウラ側

株主はどんな判断を下すのか

筆記具業界4位の「ぺんてる」をめぐり、総合文具トップのコクヨと2位のプラスが激しい株式争奪戦を行ってきたが、昨日、とうとう売却期限を迎えた。一見すると、ぺんてるを強引に傘下に収めようとしているコクヨに対して、プラスが助け船を出したという図式に見えるが、事情はもう少し複雑である。

 

コクヨの買収にプラスが待った!

コクヨはぺんてるの株式を37%保有する筆頭株主だが、2019年11月15日、ぺんてる
の株式を1株3500円で買い増し、ぺんてるを子会社化する方針を明らかにした。ところが20日になって、プラスがコクヨと同額の3500円でぺんてるの株式を買い受ける方針を表明。コクヨは即座に買い付け価格を3750円に引き上げ、29日にはさらに4200円に引き上げると発表した。

コクヨは何としてもぺんてる株を取得したい意向のようで、それは買い付けスキームにもあらわれている。

ぺんてるは株式を公開していない非上場企業であり、株式には譲渡制限が付いている。上場企業とは異なり、ぺんてるの株主は株式を自由に売買することができない。

コクヨは株式の譲渡について、ぺんてるの取締役会が承認しない可能性を考慮し、売却の意思を示した株主に対しては、正式な譲渡承認決議を経ていない段階でも、売却代金を払い込むことを確約している。コクヨが過半数の株式取得に成功すれば、仮にぺんてるの取締役会で譲渡承認が否決された場合でも、臨時株主総会を開催して経営陣を解任し、新たな経営陣で譲渡承認するという算段である。

実際、コクヨのリリース文には、こうした事態が発生した場合には、譲渡に否定的なぺんてる取締役を解任する方針を明確に示しており、コクヨの本気度がうかがえる。