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# 出版

雑誌が売れない時代でも、なぜか『るるぶ』が売れるワケ

「JTBパブリッシング」今井社長に聞く

見る、食べる、遊ぶの語尾をつなげた「るるぶ」。'73年に旅行情報誌として創刊され、現在は「発行点数世界最多の旅行ガイドシリーズ」としてギネス世界記録にも認定されるロングセラーだ。ネットの情報に押されて売り上げが減少した時代もあったが、現在は自治体や企業をパートナーに新業態を開始し業績好調、JTB出身の今井敏行社長(61歳)に話を聞いた。

「任せきり」ではダメ

当社には多くの情報基盤があります。観光地や全国各地のおいしいお店の情報、さらには世界各国の観光情報の詳細データが集まっているのです。

そこで、例えば国体等のイベントが行われる時、地元の自治体に公式ガイドブック作りの提案をさせていただきます。

たとえば競技や競技場の案内に加え、近隣のお店や観光地の情報も掲載し「るるぶ」風の表紙にして選手や観客に無料配布します。すると、競技や応援を目的に来た方が地元の魅力を知って再訪してくれるようになり、地元が観光客で賑わうようになります。

 

また、企業が海外社員旅行を行う際の「旅のしおり」作りもサポートしています。食事、ホテル、観光地、ゴルフなどの情報に加え、社長のメッセージや新商品の案内等も掲載できます。表紙が「るるぶ」風だから、参加者は驚き、旅行後も記念に保管してくださる方が多いんですよ。

JTB時代から状況の打開が必要な仕事を任されることがありました。たとえば海外個人旅行専門の競合会社が伸びて来た時、当社も近隣に日本最大の海外個人旅行専門の支店を立ち上げ、私が初代の支店長に任命されました。

その後、毎日毎朝社員と共に駅前でチラシを配りました。インターネット販売が拡大した時も、WEB販売の新部門を任されました。ITリテラシーがあったわけではないので、この時はWEBの専門学校に通いました。

人に任せきりにせず、徹底的に現場を勉強する。そして、自ら解決策を見つける。これ以外、状況を打開する方法はありません。現場を知らずに昔からの仲間を連れてきたり、「僕はよくわかんないんだけど」と言って思いつきの改善策を提案しても、現場は誰もついてきてくれません。