どうなる「首里城の火災保険」評価額100億円、再建費用は150億円超

どこまで下りるのか?
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あの名城は保険未加入

首里城はこのような火災保険に加入していたが、他の国宝級建造物はどうなっているのか。

城郭の場合、公益社団法人の「全国市有物件災害共済会」の保険に加入しているケースが多い。

この団体は、災害によって公有財産に損害が出た際の救済を目的として設置されたもの。犬山城、熊本城、名古屋城などが、この団体の保険に加入していると回答した。

保険料は、犬山城の場合、「管理地内の建造物すべてで、年間約25万5000円」(犬山市教育委員会歴史まちづくり課)だという。かなり割安だが、この災害共済会の保険の場合、地震は対象外だ。

そのため、'16年の熊本地震の際に熊本城は損壊したが、保険金は支払われなかった。約600億円と推計されている修復費用は、国からの補助金や、30億円を拠出した日本財団を始めとする団体・企業や、個人からの寄付などで賄うしかない。

一方で、奈良の東大寺のように「リスクに備えて相応の保険はかけています。それ以上については回答を控えさせて頂きます」と詳細を明らかにしないケースもあった。

また、天守閣や門、塀などが国宝や重要文化財に指定されている、兵庫の姫路城は、他の史跡とは一線を画している。

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「姫路城は火災保険には加入していません。保険というのは失ったものを修復したり、復元するために、加入するものだと認識しています。しかし、私たちとしては、文化財は一度失われてしまったら取り返しがつかないものと考えています。

ですので、スプリンクラーなどの消火設備はもちろん、600台以上の火災報知器など防火対策に重点を置いています。失わないようにすることが大切であって、保険に入ることが本当に適当なのか。そう判断しています」(姫路城管理事務所の担当者)