どうなる「首里城の火災保険」評価額100億円、再建費用は150億円超

どこまで下りるのか?
週刊現代 プロフィール

他にも装飾などの美術的価値も評価額には関係ない。首里城の評価額は、こうして約100億3500万円と算出された。

この評価額に、各保険会社内の基準である「保険料率」を掛けて、保険料が決まる。保険料率は所在地や、その建物の防火設備の機能などによっても上下する。

首里城の場合、消火設備の代表格であるスプリンクラーは設置されていなかった。ここまで火事が燃え広がった理由の一つだ。

Photo by iStock

これは、首里城は'92年に再建された建物のため、重要文化財の指定を受けておらず、消防法で定められている防火対策義務の対象外だったからだ。

他にも、スプリンクラーの誤作動により、展示してある美術品や文書などが被害を受けるリスクを避けたかったという理由もあるようだ。

満額受け取れない?

そもそも上限70億円という保険は首里城の規模と比して適正だったのか。

「建物の評価額が1億円で、月に100万円の保険料を払っているケースがあったとします。この場合、建物全体が損害を受けると、1億円の保険金が支払われ、半分の損害なら、5000万円が支払われるというのが一般的です。

しかし、評価額は1億円でも、支払いの限度額は5000万円という形で契約される方もいる。その場合、それに応じて、保険料も半分の50万円など、減額されます」(前出・日新火災の担当者)

首里城のケースで、保険金の限度額が70億円と評価額(100億円超)に達しなかったのは、保険料を抑えることが目的だったとみられる。

まさか本当に火災に見舞われるとは思ってもいなかったのだろう。保険料をケチった結果、評価額の満額を受け取ることができなくなってしまった。