どうなる「首里城の火災保険」評価額100億円、再建費用は150億円超

どこまで下りるのか?
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では、どうやってそのカネを払うのか。その手段の一つが保険金だ。首里城の管理、運営を行っている「沖縄美ら島財団」の担当者が話す。

「首里城は'92年から火災保険に加入しています。美ら島財団から、年間約2940万円の保険料を支払っていました。

首里城の評価額は100億3500万円で、これは保険に加入する際に保険会社が算定したものです。ただ、保険金の限度額は約70億円で、これ以上の金額が支払われることはありません」

「評価額」とは、火災保険に加入する際にまず算出するものだ。保険業界では珍しい、「神社仏閣プラン」という保険商品を販売している日新火災海上保険の広報グループの担当者が話す。

「評価額とは、その建造物と同じ物を再建すると、どのぐらいの費用がかかるかを評価したものです。ただ、文化財や神社仏閣の場合、この評価額を算出するのが非常に難しいのです。

一般の家屋や工場などは、面積や構造でおおよその再建費用を算出できるのですが、文化財などは使っている材質や建築様式などが特殊なケースが多い。統一された業界基準などもないため、評価が難しくなります」

 

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文化財の評価額の算出の際、保険会社によっては、文化財の評価に詳しい鑑定人や、ときには宮大工などの意見をもとに決めるという。だが、算定できるのは材質や建築様式だけだ。

前出・日新火災の担当者が続ける。

「評価額の算出の際に歴史的な価値というものは含まれません。柱を1本建てるのに1000万円かかるという場合、『この柱には歴史的な価値があるので1億円』とはならない。あくまで評価額は1000万円なのです」