「意味のないクソ仕事」をする人ほど給料が高い…この大いなる矛盾

「ブルシットジョブ」とは何か
デヴィッド グレーバー プロフィール

当初、私は、自分の仕事を必要ないと思っている人は、せいぜい15~20%くらいだろうと考えていました。

しかし、イギリスの調査会社「YouGov(ユーガブ)」が私の言葉を引用して行なった調査によると、「自分の仕事は社会に意味のある貢献をしているかどうか」という質問に対して、37%の人が「まったくしていない」と答えたのです。「どちらかわからない」が13%、「間違いなく貢献している」と答えた人は50%にすぎませんでした。

多くの人が働くことに意義を見出せていない。バスの運転手や看護師、あるいは清掃係であれば、直接的に社会に貢献しています。ところがデスクワークの人に目を向けると、「自分の仕事は世の中にどう役立っているのかわからない」と密かに思っている、そう考えるようになりました。

 

——ブルーカラー(生産現場で作業に携わる労働者)の仕事をBS職だと思っている人もいるでしょう。

グレーバー そう思っている人は多いでしょうが、BS職の実態はまったく反対です。もちろん、無意味なブルーカラーの仕事もあります。労働組合が強かった一昔前は、不必要な肉体労働がいまよりも多かった。しかし1980年代からは効率促進と tailorization (目的や必要に合わせて調整すること)によって、ブルーカラーの仕事の無駄は大きく削減されてきました。

ところが、効率を上げて余ったお金をどうするかというと、それで不必要なオフィスワーカーを雇っているんです。結果、BS職がますます増えることになります。

〔PHOTO〕iStock

——ブルーカラーの仕事は、ホワイトカラーよりも「リアル」であると。

グレーバー そうです。たとえば、ゴミ収集は実践的な職であり、世界をよくする仕事です。一定の教育が必要かどうかは議論の余地がありますが、仕事そのものに価値があります。