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世界一の「ヴィーガンレストラン」が東京にあることをご存知ですか?

これがレストランの新潮流
千葉 哲幸 プロフィール

ヴィーガンの「焼き鳥」に「ウナギ」?

「菜道」をヴィーガンレストラン世界一に導いたのは、同店の料理監修をしている楠本勝三氏である。

楠本氏は1975年6月生まれ、岡山県出身。大阪の調理師専門学校を卒業後、フランス料理店に就職。2010年東京・西麻布の会員制のレストランで料理長となった。ここでは2018年の末まで務めた。

料理人生活でフードダイバーシティと出合ったのは2015年の当時、その会員制のレストランでのことである。同店の利用客はほとんどが接待需要で、ある日会員の一人からこのような依頼があった。「これからムスリム(イスラム教徒のこと)の人を接待することが増える。ハラールのことを勉強してほしい」と。

 

当時は使用食材でハラール対応をしているものがほとんどなく、調達が非常に困難であった。そこで、通常のメニューから、ハラールで禁じられている豚肉とアルコールを抜いたものをつくっていたという。

しかしながら、ムスリムのお客さまには喜んで食事をしてもらえなかった。「なぜだろう」と悩みぬいた末に、「それはムスリムが好む料理ではないから」という考えに至った。

それ以来、ゲストに食事をいかにして喜んで食べてもらうかということを一生懸命考えるようになった楠本氏。この頃、ハラール屠畜された神戸牛が登場したことで、ムスリムの需要が一気に増えたそうだ。

「菜道」のヴィーガン料理

ハラール対応を継続している過程で、お客さまから「ヴィーガンができるか」「コーシャ(ユダヤ教徒対応)ができるか」と尋ねられるようになり、グルテンフリー、アレルギー対応などの問い合わせも受けるようになった。この過程でフードダイバーシティに取り組む人々と交流するようになり、「菜道」が立ち上がる時期と、楠本氏が西麻布の店を辞めようと思っていた時期が重なり、楠本氏は同店の料理監修を依頼された。

「菜道」には「焼き鳥」「ウナギ」を称する料理があるが、これらは肉でも魚でもない。生来肉や魚を食べたことのない人に、野菜によってそれぞれの食味に寄せてヴィーガンの焼き鳥やウナギをつくっている。

オリエンタル・ベジタリアンに取り組むことも難易度が高い。楠本氏はこう語る。

「これは台湾人のニーズがあり、フードダイバーシティに取り組む上でやることができるのであればやってしまおうということで取り組みました。また、五葷フリーによってヴィーガンのフィールドが広がり、また、誰も真似することができません

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