〔PHOTO〕iStock
# ジェンダー

私が「男尊女卑・家父長制」を退けた「結婚式」を挙げた理由

結婚式のデモクラシー/脱構築の実践

「結婚式のデモクラシー」、それは2019年2月に筆者が実際に執り行った結婚式のテーマであり、挙式披露宴当日に来賓に配布したステートメントのタイトルである。一般的な慣習からすれば、それは少し奇妙な結婚式だったかもしれない。

結婚式にこのようなテーマがあったり何らかの声明文が配られたりすることは、たしかにほとんど他に例を見ないことだが、筆者としては何も奇を衒(てら)ったつもりはなく、むしろ「私たちにとって普通の結婚式をしたかった」という一言に尽きるものであった。

それはまた、筆者が(そして筆者の夫も)専門とするフランス現代思想における「脱構築」の実践でもあったのである。ここでは、筆者らの結婚式の舞台裏についてお話しするとともに、この場合の「脱構築」の実践が何を意味しているのかについても明らかにしておきたい。

〔PHOTO〕iStock
 

結婚式の準備で唖然…

2018年秋、筆者は博士論文を執筆しながら同時に結婚式の準備にも追われていた。博士論文を死に物狂いで書き進めている者にとって、結婚式の準備などというものはちょっとした心のオアシスというか、日々酷使している頭をあまり使わなくてもいい休憩というか、当初はそのようなものだと楽観的に考えていた。

だが、結婚式の打ち合わせに行くたびにオアシスの水は徐々に枯れていき、筆者の精神はことごとくすり減ることとなる……。