2019年は、TBS系の連続ドラマ『グッドワイフ』で約19年ぶりとなる日曜劇場枠主演を務め、話題となった女優の常盤貴子さん。2020年は、1月5日より始まるNHK・BSプレミアムの連続ドラマ『贋作 男はつらいよ』(日曜22時~)にさくら役で出演する。

クールな印象でプライベートは謎に包まれている常盤さんだが、実はほっこりとした性格でユーモアに富んだ人柄だ。それは、前回の記事で伝わったのではないだろうか。前回、仕事やプライベートでさまざまな地へ赴くことが多いという常盤さんが日本各地を訪れたときの話をお伝えした。今回は、中国、アメリカ、フランスでの旅の思い出を、素顔が垣間見えるエピソードとともにご紹介する。

※以下、日常を最大限に楽しむ方法が詰まった常盤貴子さんの初エッセイ『まばたきのおもひで』(講談社)より、内容を一部抜粋して紹介。写真は同書の帯より転載。

新年快楽(シンニェンクァイラー)
/中国・上海

上海で暮らしている友だちに一度体験してみた方がいいと誘われて、数年前、中国で旧正月(旧暦のお正月)を過ごす目的で旅行をしてみた。

仕事で中国に行く機会は多かったにもかかわらず、旧正月を大晦日から元日と過ごしたことはなかった。といっても、上海は国際都市だから、観光名所など人が多く集まる場所に行かないと伝統的な中国らしいお正月の祭典はもはや見せてもらえないかなぁ、と心配してみたり。

なんのなんの。そんな心配いっさい必要なし!

暮れなずむ頃には街のあちらこちらでフライング気味の爆竹音が鳴りだし、ちょっと気分も高まってきたところで、長く続くであろう夜に備えて晩ご飯にでもと勇んで出かけると、レストランの店員たちは私たち観光客なんて比べものにならないぐらい気もそぞろで帰りたいモード全開。注文した料理の皿が厨房からビューンっと飛んでやってきたぁっ、のではないかと思うほどに。急ぎすぎるからつまずいて、せっかく運んでいた料理をこぼしてしまう店員さんもいた。

撮影/萩庭桂太

急げ急げという暗黙のプレッシャーをかけられ続けた食事を終えて街に出てみると、スッカリ街ごと浮かれてた。こりゃもう、踊る阿呆に見る阿呆の方式で、楽しんだもん勝ちだなと。

そこからは、もう、なにがなんだか。爆竹の音に耳をふさぎながら、ぎゃーぎゃー騒いだり、ぴょんぴょん飛び跳ねたり、どっちが立派な爆竹かを競っている会社対決を見て野次ったり。とにかく楽しかったぁ。爆竹の音が激しすぎて声なんて何も聞こえないから言葉も、人種も関係なく、とにかく皆で笑いあった。

1年間たまった邪気を爆竹で祓い清めるという清々しさが気持ちをハイにするんだろうなと、耳鳴りがやまないままに次の朝、ボンヤリ考えた。

百聞は一見にしかず、是非機会があったら行って、見て、ぴょんぴょん体験してみてくださいな。新年快楽(明けましておめでとうございます)の挨拶とともに。ちなみに今年(2015年)は2月19日が旧暦の元日です! 皆さんにとって楽しい1年になりますように。