あなたの生活の中には「お茶の時間」ありますか? テイクアウトやペットボトルで手軽に美味しいお茶やそこそこ美味しいお茶を買って一息つくのも悪くない。でも、自分のためにお茶を淹れるそのひと手間とひとときがラグジュアリー。とっても豊かな時間です。今回は、日本茶のいろはと、お茶の時間をもっと楽しくしてくれる器をご紹介します。

「一保堂」さん、
お茶のいろは、教えてください!

海外の方への贈り物にもお勧めの抹茶スターターキット「はじめの一保堂」(¥5000)。茶筌、茶杓、茶碗、抹茶(20g 缶)、しおり(日英併記)、一保堂ふきんがセットされ、お湯さえあればすぐに抹茶が楽しめます。

お話を伺ったのは……
「一保堂茶舗」東京丸の内店
北嶋由紀さん

日本茶はもちろん、冠婚葬祭等しきたりの知識も身につけた頼もしい存在。美味しいお茶を淹れるプロフェッショナル。定期的に開催されるお茶の教室では講師も務める。一番好きな日本茶は「煎茶」。
ライター 齊藤素子
雑誌を中心に食、旅、美術などを取材。世界初、腰痛専門ウェブマガジン『腰痛ラボ』編集長。「一保堂」のお茶は海外への手土産の定番。好きな日本茶は「いり番茶」。愛用の湯呑みは眞喜屋修さんの蕎麦猪口。


二つの畑から生まれる緑茶の二つのグループ

齊藤 普段、何気なく飲んでいる緑茶ですが、畑が2種類あるのですね。露天園は馴染みのある光景ですが、陽の光をコントロールする「覆下園」があるとは知りませんでした。

北嶋さん(以下、敬称略) お茶の葉の甘み成分・テアニンは陽に当たり光合成が進むとカテキン(渋み)に変化します。畑を藁やよしず、コモ(むしろ)で覆って、直射日光を遮り、光合成の働きを弱めることで、葉に旨みや甘みが蓄えられます。そうして育った茶葉は、甘み豊かなまったりとした味わいになります。

齊藤 玉露と抹茶の原料のてん茶グループですね。繊細な感じがします。

北嶋 そうですね。玉露は温度低めのお湯でゆっくり旨みを引き出します。緑茶の中で唯一、茶葉そのものを味わうことができる抹茶は、お湯と茶筌があれば楽しめますから是非、気軽に味わってみてください。色も美しいですね。

夏も近づく八十八夜って、どういう意味?

齊藤 なるほど! 確かに、抹茶は茶葉を飲むわけですよね。一方、露天園グループの代表は煎茶と番茶。カテキン=渋みはどうなるのでしょう。

北嶋 煎茶は、カテキンの程よい渋みとテアニンの甘みのバランスがよく、カテキンならではの、さっぱりとした後味や爽快感も特徴です。

齊藤 唱歌【茶摘み】の歌詞にもある「八十八夜」はどういう意味ですか。

北嶋 立春から数えて八十八日目(五月二日前後)が茶摘みの時期。そして、この時期にしか味わえない、フレッシュで生命力溢れる新茶が販売されます。味わえるのは六月中旬頃までです。

齊藤 期間限定の季節の恵みですね。

北嶋 夏には冷水でゆっくり旨みを引き出した玉露や煎茶も香りが深く、まろやかでとても美味しいですよ。

齊藤 それぞれの茶葉の特徴を知ることで楽しみ方がグッと広がりますね。