夜9時すぎのファミレスで

なんでこんな汚い靴を履いてきたわけ? 汚れた靴を履いたら、ダメだっていつもいっているでしょ。ママだけじゃなく、お店にも他の人にもあの子汚いって思われるのよ。あなたは何ひとつママの言うことが聞けないんだから!

夜9時過ぎに家の近所のファミレスで遅めの夕食を食べていると、こんな女性の声が聞こえてきた。今入店してきた家族(母親・父親・小学校低学年らしき娘)の会話だった。

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席に座ってからも母親の小言は続き、小声だが「靴のことだけじゃないよね。何から何まで本当に、なんにも言うこと聞かないよね、あなたは。本当に信用できない。全部嘘ばっかりでしょ……」と止まらない。会話を盗み聞きするつもりはなかったが、隣の席が故に、会話は自然と入ってきてしまう。しかも、あまりの内容に、無意識でも耳が止まってしまうのだ。

どうやら母親の怒りの発端は、前の日、宿題をやったと嘘をついており、さらにベッドに入ってから寝たふりをして、スマホでyoutubeを見ていたことらしい。それにしても執拗に娘に向かって「嘘つき、恥ずかしい、馬鹿」というフレーズを繰り返す

「宿題やったといって、youtube見てたなんて、どんだけ嘘つきなのかと思って。ねぇ、パパもそう思うよね。こんな嘘つき、うちの子だと思うと恥ずかしくてしょうがないよね!?」

あまりの言いように、隣を見てしまったが、母親は私に背を向けて娘に話していたので気づかない。同意を求められた父親も「あー、そうだな」と小声で答えるだけでスマホ画面から目を離さない。

入店してから間を開けることなく、1時間以上も母親は小言を吐き続けた。photo/iStock

そして、ここからおよそ1時間、母親の小言はエンドレスに続いたのだ。母親は声を荒らげたりはしない。静かで冷ややかだ。私は子どもを責め続ける内容に危機感を覚え、開いていたPCでメモを取ることにした。