ついに市へ賠償請求も…「武蔵小杉のタワマン」の価値はどうなるのか

行政の過失か、自己責任か
大原 みはる プロフィール

では一方、物件の供給はどうなるだろうか。新築物件についてはデベロッパーが考えることなので、注目すべきは中古物件がどれだけ出てくるかである。

そもそも武蔵小杉のまちの価値を高めた最大のアピールポイントは、東京都心を始め、横浜、川崎など多方向への交通の便のよさである。この強みは今回の浸水被害で失われたわけではないのだから、それが理由で自宅用として買ったマンション住人にとっては捨てがたく、住み続ける人は少なからずいるだろう。

 

とはいえ、風評の影響も織り込んだ中長期的な資産価値の維持の困難さを考慮して、早めに売り逃げようとする人が増える可能性も十分ある。特に投資用物件として買った人の場合、利回りや含み益といった数字から物事を考えるから、なおさらだ。

ちなみに、東日本大震災で液状化被害の出た千葉県浦安市JR新浦安駅周辺の不動産取引価格水準は、震災発生から数年間下落を続けた。その後は、東京五輪開催決定の影響を含めた新築・中古マンションの高騰の流れもあって回復してきたと言われている。

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この例を見ても、武蔵小杉エリアでも当面は、中古物件の需給バランスが崩れて取引価格が下がっていく可能性は十分ありうる。特に、投資家主を中心に売り急ぐ人が増えれば値崩れしやすいだろう。