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雅子皇后の「10年越しの肉声」に、皇室記者が感動した理由

それは、穏やかで優しい声だった

壁越しの肉声

皇后雅子さんは56歳の誕生日を迎えました。皇后となって初めての誕生日。最近の目覚ましい活躍ぶりから、療養生活に入って以来途絶えていた記者会見が復活するのではないかとの見方もありました。しかし結局は例年通り「文書によるご感想」ということになり、雅子さんの声を聞くことはできませんでした。

 

私が10年以上前に宮内庁常駐記者をしていた頃、雅子さんの活動量はとても少ない状態でした。それでも「公務」と呼ばれるものから全く離れていた訳ではなく、都内でのお出ましや、徳島県での国民文化祭出席などがありました。

2006年の雅子妃〔PHOTO〕Gettyimages

私は同行取材をしましたが、皇太子夫妻の声はいずれも小さく、二人とも説明役の方に囁くような話し方をします。雅子さんの記者会見は一度もなく、約2年間の取材経験の中で、肉声をはっきりと聞いた記憶はありませんでした。

とは言いながら、取材でもなんでもない時に思いがけず肉声を聞いてしまったことが一度だけあります。赤坂の東宮御所で行われた皇太子記者会見の後です。ぞろぞろと記者たちが帰っていく列の一番後ろに私がいました。すると、当時の東宮職幹部が「大木さん、ちょっとちょっと」と、私をこっそり小さな応接室に招き入れてくれました。他の記者は何も気付かずに去って行きました。