「日高屋」ここへきて成長に急ブレーキがかかっている、本当のワケ

いくつかの「改革」の影響が…
平野 和之 プロフィール

大手の外食は立地がすべて

とはいえ、より大局的な視点から見れば、外食チェーンの場合、そうした厳しい環境下でも「V字回復」というケースもしばしば見受けられる。業績悪化とV字回復を交互に繰り返しているのがマクドナルドや吉野家であり、日高屋も同様の回復できる素地をもっている。

それは、外食・小売りといった産業は、「立地」がすべてだからだ。駅前好立地を押さえられている限り、一発ヒット商品で集客できるし、減益しても赤字になりにくい。

経営の3要素は「ひと・もの・かね」だが、外食産業は「ひと」がすべてである。金は出店すれば借りられる。ものは、ひとがいれば作れる。ひとを集める腕も駅前好立地は競争優位性がある。

 

アベノミクスの影響

さらに視点を引いて見ると、今、外食産業を苦境にしている最大の要因は良くも悪くもアベノミクスだ。

そもそも、日本の外食産業の労働生産性は低い。いや、サービス業の生産性が低い。アメリカの半分だ。さらに産業の7割をサービス系が占めており、働き方改革の主戦場もサービス業である。働き方改革は、IT化、ロボット化を推進し、ブラック労働を規制する。

アベノミクスの「賃上げ」によって最も賃金が上がったのが、若者、低所得者層、非正規労働者。その影響は外食産業にとっては大きかった。アベノミクスは労働力の不足、時給のアップ、労働規制の厳格化につながり、外食産業の主な減益要因となっている。