「日高屋」ここへきて成長に急ブレーキがかかっている、本当のワケ

いくつかの「改革」の影響が…
平野 和之 プロフィール

同様に、ランチではない時間帯=夜の顧客を捕まえることは日高屋にとって重要な課題であり続けてきた。これまでの成功は、ランチに加えて夜飲み客を獲得できたおかげ…という側面はある。

ちょい悪おやじならぬ「ちょい飲み親父」、さらにはこれまではあまりターゲットにならなかった「仕事帰りの働く女性」を客として取り込めるかがその成否の重要な部分を決定してきた。マックにあって、吉野家、日高屋ができないものは「喫茶」のサービスだが、逆に、日高屋に優位性があるのは「アルコール」だったからだ。

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「働き方改革」の影響

しかし、「夜客」「ちょい飲み親父」「ちょい飲み女性」を捕まえられるかどうかは、働く世代が立ち寄りやすいメニュー構成になっているかといった「外食産業側」の問題というより、「外部環境」の影響を受けやすい。現在、外食産業に打撃を与えているのは、一等地で働く大企業の「働き方」改革である。

シンクタンクの調査によれば、働き方改革で残業代が数兆から10兆円単位で減る試算となっている。つまり、サラリーマンたちの懐事情は苦しくなり、外食の余裕はなくなる

もちろん、働き方改革で帰宅時間も前倒しになる。「消費喚起に効果がない」と言われて久しい「プレミアムフライデー」は、ほとんどの人が早い時間に帰宅できていないと思うが、たとえ帰れたとしても多くは直帰。当初の予定の夜の消費需要を喚起できていない。そりゃ、ない袖はふれない。

さらに言えば、アルコール産業自体が、外食の中でもっとも衰退していく分野でもある。また、夜を稼ぐという分野は伸びしろが極めて限定的である。短期的には、日高屋にとって難所が続く可能性は高い。