「パールハーバー」と聞いて何を思い浮かべる?

今回、グラック先生の講義を受け、先生の『戦争の記憶』を読んで、先ほどの疑問の答えが分かった瞬間がありました。

特別講義が始まって先生の第一声は、

「『パールハーバー』と聞いて思い浮かべることはなんですか?」

という問いかけでした。

学生たちの話を聞いて時折メモを取りながら、議論を促していくキャロル・グラックさん

日本語で言えば「真珠湾」のことですが、みなさんは何を思い浮かべますか?

私は「太平洋戦争」がパッと浮かびました。私の中では日本が真珠湾を攻撃して、アメリカとの戦争が始まり、原爆が落とされ、終結したというストーリーで認識しています。

しかし、今回参加させていただいたグラック先生の講義では、驚くほど様々な回答が学生から出てきました。映画、アメリカの英雄主義、陰謀活動の失態、そして日本の外交上の失態……。祖父母から聞いたことを思い出すように話す学生、眉間にシワを寄せながら言いずらそうに話す学生、興奮気味に目を輝かせながら話す学生と、話す姿は皆それぞれ違っていました。

様々なバックグラウンドを持った学生たちは、「パールハーバー」のイメージがそれぞれ異なるだけではなく、「太平洋戦争」の名前も、そして戦争が始まった時期までも、捉え方が違ったのです。

「戦争の捉え方、歴史の捉え方はそれぞれの国によって異なるんだ」と気づかされた瞬間でした。

「アメリカとも色々あるけれど、中国と韓国よりはいい関係を形成できているのはなぜだろう?」という疑問の答えにもつながってくるのではないかと思います。

事実、歴史に関する教科書や学校のカリキュラムは州、そして国ごとに定められていて、それぞれ自国側からの視点だけになっているとグラック先生はおっしゃっていました。そういった学習形態になるのは自然なことかもしれません。

それに歴史に関する共通の記憶・認識を持つことは、国民の一致団結や自分たちのアイデンティティー形成に繋がるとも思います。しかし、もしそれが偏った歴史の捉え方になってしまっていたら? 自分たちの国がした良いことは知っていても悪いことは知らされていなかったら? 悪いことを悪いと認めることができていなかったら?