中国、AI(人工知能)大国化するウラで「新・階級社会」が始まった

プライバシーとお得、どっちを取る?
オラフ・グロス, マーク・ニッツバーグ

28歳の妊婦と18歳のバイカー「格付けが上」なのは?

ピーターソン国際経済研究所によると、こうしたサービスは財務面での信用だけでなく、個人の信用を表すようになった。たとえば、ジーマ・クレジットは財務データや個人データを幅広く集め、個人に350〜950点の範囲で点数をつけている。

オンライン・ショッピングの習慣や期日までに支払いをする能力に加え、年齢・性別・民族といった人口統計データやソーシャル・ネットワーク上の交友関係の情報まで収集される。

28歳の妊婦は、バイクを買う18歳の男性よりも高く「格付け」されているかもしれない。ジーマ・クレジットで700点ならかなり立派な人物とみなされるが、300点台だと社会的にさまざまな悪影響を被りかねない。たとえば、鉄道の一等車や飛行機での海外渡航を禁じられる、交流によってスコアに傷がつくのを恐れる知人から疎外される、といった具合に。

このサービスは結局、世界史上類を見ない規模の個人情報収集の取り組みとなった。これまでに約2億人の中国人が登録し、取引や人間関係の信頼度を採点されている。しかも、「社会信用システム」が義務化される2020年を待たずして、この規模になった。

 

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中国ではこうしたシステムに加え、さらに小規模の社会信用プログラムも、驚くほどさまざまなデータを収集している。購買や融資活動の前に、年齢、育児、ソーシャル・ネットワークといった要素ですでに差がついている。