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中国、AI(人工知能)大国化するウラで「新・階級社会」が始まった

プライバシーとお得、どっちを取る?
長年、テクノロジーにおけるトップランナーとして君臨してきたのはアメリカだが、いまそんなアメリカを猛追するのが中国だ。中でもAI(人工知能)開発と連動したキャッシュレス分野において、猛スピードで凄まじい発展を遂げている。
一方、中国がそんな「新たなAI大国」と化すウラでは、これまでとは考えられなかったような社会現象も起き始めている。すでに新たな「階級社会」が生まれつつあり、これが国民の日々の生活に重大な影響を及ぼし始めているのだ。いったい中国はどこへ向かっていくのか――。『新たなAI大国』著者であるオラフ・グロス氏、マーク・ニッツバーグ氏がその最前線をレポートする。
 

中国の「人民格付け」制度

アリババの「芝麻信用(ジーマ・クレジット。別名セサミ・クレジット)」は、いずれ国家の社会信用プログラムに発展することを期待され、導入された試験プログラムの一つだ。

この取り組みは2015年1月、中央銀行である「中国人民銀行」が信用スコアの普及を目指し、民間企業8社にサービス開始の仮免許を与えてスタートした。

そもそも中国政府は、中国の人々がどれほどの負債を抱え、返済状況が改善しているのか悪化しているのかさえ把握していなかった。アメリカのような既存の信用格付けシステムが存在していなかったのだ。