女が男を差別? 恋愛対象ではない男性を排除する「負の性欲」の正体

まずは「自分の加害性」を認識すること
トイアンナ プロフィール

まずは自分の「加害性」を知ることから

「負の性欲」を提唱した方の功績は「女性も男性を気軽にセクハラする」と知らしめたことにある。日本ではまだ、男性が被害に遭うセクハラを訴えづらい環境だ。しかし、男性も8.6%がセクハラ被害を経験しているにもかかわらず、である。

さらに「負の性欲」という概念は、女性が男性を排除するときに使う「キモい」という言葉が、男性が女性へ向ける「ブス」と同じセクハラであると認識させた。それだけでも、革命的な記事だったと考えている。

いっぽう、そのために女性をすべて貶す必要はなかった。なぜなら、「人は誰でも加害者になれる」のがセクハラの本質だからである。

「キモい」と男性を女性がけなすとき、または、男性が女性へ「ブス」「お前なんか相手にしねえよ」と言うとき……。そのいずれもが「負の性欲」として相手を排除するセクハラだ。

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正の性欲、負の性欲、いずれも感情として抱くのは問題ない。個人が心の中で巨乳が好きと思っていようが、〇〇は気持ち悪いから無理と考えようが自由だ。だが、それを言葉にしたとき、セクハラは始まる。

まずは、男女問わず「自分の加害性」を認識することだろう。誰だって、恋愛対象ではない相手を傷つけ、「負の性欲」の加害者になりうる。

そのうえで、「それって、セクハラですよ」と言われたり、ふとした瞬間に「これ、セクハラになっちゃうのか」と自覚したりできれば謝って、直していく。

「人生で一度もセクハラの加害者にならない人はいない。自分もやってしまうかも」くらいの前提で生きていけば、最終的に社会全体からハラスメントを減らせるだろう。