いよいよ激化の米中貿易戦争で、中国が「負けている」と言えるワケ

日本にも大きな被害が出る
野口 悠紀雄 プロフィール

対中輸出減で、日本の製造業の業績も悪化

日本では、輸出が減少した結果、製造業の業績が悪化している。

日本経済新聞によると、上場企業の2019年4~9月期決算は、純利益の合計額が前年同期に比べて14%減だった。

「電気機器」の純利益が54%減、「自動車・部品」が16%減益、「化学」が22%減益などとなっている。日本製鉄の2019年9月中間決算は、営業利益が前年同期比46・6%減だ。

日本の中国に対する輸出が減少しているのは、中国の輸出産業の生産が伸び悩んでいる(あるいは減少している)ためだと考えられる。

そうだとすれば、日本は、中国と並んで、米中貿易戦争の影響を大きく受けている国だということになる。

 

収束の見通しは立たない

米中貿易戦争の今後の見通しとしては、米農産物の購入や金融サービスの市場開放など「第1段階の合意」に向けて貿易協議が続けられているが、調整が長引いている。

トランプ大統領は11月中旬の合意を目指すとしていたが、中国の米農産品購入拡大や発動済み追加関税の扱いなどをめぐる溝は埋まらず、成果文書の取りまとめ作業は遅れている。署名のための首脳会談のめどは、立たないままだ。

なお、逃亡犯条例改正案反対が発端となって2019年3月から香港で行われているデモも、収束の兆しが見えない。

アメリカ上下院は、「香港人権・民主主義法案」(中国が香港に高度の自治を保障する「1国2制度」を守っているかどうか、米政府に検証を求める法律)を可決した。中国はこれに反発しており、ここでも米中対立が激化している。