2019.12.14

日本の「お金」の教育が、いまだにアメリカに比べて時代遅れなワケ

いつまで「お金は汚いもの」と思うのか
森永 康平 プロフィール

また、日本人が投資をしない理由の1つには株式市場への信頼感の問題があるかもしれません。

 

東証市場第一部に上場する内国普通株式全銘柄を対象とする株価指数である東証株価指数(TOPIX)と、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出している米国の代表的な株価指数であるS&P500の長期推移を見てみましょう。

下図は筆者が生まれた1985年から今年の11月末までの推移になります。

(出所):Factsetのデータを基に株式会社マネネが作成。

このグラフを見れば分かる通り、ITバブルの崩壊やリーマンショックなど、米国の株式市場は世界的な金融危機の震源地となりましたが、それでも長期で見れば右肩上がりになっています。

一方で日本の株式市場はここ数年はアベノミクスの影響もあり上昇傾向にありますが、長期で見ればバブル崩壊以降は横ばいになっています。

このことからも、日本人は米国人に比べて投資に対する期待感を持てず、投資は危険だという意識が強くなってしまっているのかもしれません。

「金融教育」のあるべき姿について考えよう

さて、話は元に戻りますが、日本で「金融教育」の第一歩が踏み出されることについては、筆者は大賛成です。

それが家庭科の授業の中であってもいいと思います。

どのような形で始めても、必ず問題点はいくつも浮上するはずです。それであれば、とにかく早く開始して、改善を繰り返すことが重要でしょう。

しかし、あえて苦言を呈すとすれば、日本の「金融教育」という言葉の定義にあります。

なぜか「金融教育」は「投資教育」に近い言葉の使われ方をします。

筆者は日本で金融教育を浸透させるべく株式会社マネネという金融教育ベンチャーを立ち上げましたが、創業当初から「金融教育」とは経済学や企業会計、統計学や税制、会社の仕組みなど幅広く教えるべきであり、投資や資産運用は全体の一部に過ぎないと主張しています。

今回の家庭科でも家計管理における「資産運用」がメインとなっている事には一抹の不安を感じます。

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