夫に早く死んでほしい…そんな妻が「貧困」に転落する3つのパターン

高齢単身女性の50%が貧困という現実
黒田 尚子 プロフィール

妻の遺族年金は「夫の老齢年金の3/4」ではない!

注意すべきは、遺族年金に関して、「亡くなった方の老齢年金の3/4がもらえる」と勘違いしている方が少なくないことだ。

老齢厚生年金は、「報酬比例部分」と「経過的加算部分」に加え、配偶者がいる場合などに加算される「加給年金」などで構成されている。

実際に、遺族厚生年金として受け取れるのは、報酬比例部分の3/4だけ。老齢基礎年金に相当する経過的加算部分などは対象外となる。おそらく、遺族のほとんどは、予想していたよりも少ないと感じるだろう。

 

厚生労働省の「年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査)平成29年」によると、本人の収入総額に占める公的年金収入の割合は、男性よりも女性の方が高く、しかも高齢になるほど高い傾向がある。女性の場合、64歳以下は50.8%に対して、65歳~69歳は77.6%、70~74歳は84.3%となっており、その差は明らかだ。

また、配偶者なし世帯の場合の本人の公的年金の平均年金額を見ると、65歳以上の場合、男性は166.5万円に対して、女性は139万円と少なく、月額にすると約12万円。高齢の夫と死別した妻がもらっている年金のイメージとしては、だいたい、夫の遺族厚生年金が約7万円、自分自身の老齢基礎年金が約5万円といったところだろうか。

おもな収入が公的年金だけという妻は、夫の遺族年金だけをアテにするつもりで、夫が亡くなった後の生活設計をしたのであれば要注意。預貯金もあまりない場合、想定以上に残高が減って困ったということになりかねない。

なお、公的年金のしくみは非常に複雑だ。多少知識があっても、勘違いしているケースもある。金額や受給要件、受給方法などが知りたければ、自治体の担当窓口や年金事務所、年金相談センターで相談するのが確実である。