消費税率引き上げ後の日本経済の状況だが、11月にやや大きな変化がみられた。
先週の当コラムで紹介した「SRI一橋大学消費者購買指数」が11月18日の週までアップデートされたが、消費増税導入後6週間が経過したところで購買支出(金額)指数の伸び率が大きく低下した。
前年比でみた低下率は消費税率引き上げ後で最大となった(図表1)。コンビニエンスストア以外の業態で数量の落ち込みが加速したのがその理由であった。
その数量の落ち込みと同時に発生したのが、購入単価の比較的大きな上昇であった(図表2)。今回の消費増税では、増税直後(第0週目)の増税転嫁による価格上昇(ジャンプ)は発生しなかったが、これが遅れて発生した形となった。
前年比の上昇率は前週の+1.3%から+2.6%と、一週間で1.3%ポイントも跳ね上がった。その要因としては、当該商品自体の価格上昇もあったが、それよりも大きかったのは、「商品交代効果」であった。