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豪遊、倒産、麻薬密売…伝説の車「デロリアン」壮絶すぎる開発秘話

野望の果てに夢破れた男がいた

「デロリアン」といえば、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に起用されたスポーツカーとして有名だが、今度はこのクルマの生みの親であるジョン・デロリアンの半生が映画で描かれることになった。タイトルはそのもの『ジョン・デロリアン』で、12月7日から公開された。

映画の中で描かれるジョン(社名および車名との混同を避けるためこう表記させていただく)は、仕事と美女を愛し、派手なセレブ暮らしを送るエグゼクティブでありながら、理想のクルマを作りたいと自ら会社を設立。しかし夢の結晶である「DMC-12」は3年半で約8500台しか生産されず、会社も倒産。彼自身も麻薬取引で逮捕されるという波乱万丈の半生となっている。

(C)Driven Film Productions 2018

同じ境遇を歩んだ幻の名車「タッカー」

このような野心家はしばしば米国の自動車業界に現れ、映画にもなっている。有名なのは1988年にフランシス・フォード・コッポラ監督が手掛けた『タッカー』だ。

1903年生まれのプレストン・トーマス・タッカーは、幼い頃から自動車に興味を寄せ、13歳から自動車工場で働き始めて製造工程を学び、その後はディーラーのセールスマンやレースのマネジャーも務める。第2次世界大戦中は軍用車の開発を行いつつ、戦後を想定して乗用車の開発も進めた。

 

その結果、終戦直後に発表されたのが自身の名を冠した自動車「タッカー」で、シートベルト、ソフトパッドで覆われたインパネ、ステアリング操作に合わせて首を振るヘッドランプなど、高度な安全思想が貫かれていた。注文や投資が殺到し、1948年になって本格的な生産が開始された。