凌は「許してくれる男性」ではないのかも
実際、お寿司はおごったものの、愛華に気に入られようとする様子はなかったし、前回の記事「テラハに『最強モテ男』が降臨。女を勘違いさせるスゴ技の数々」で書いたような“フラート”(相手を異性として意識させる言動)も見せなくなった。
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もしかしたら、「ザギンでシースー」の提案をされる直前の会話にも、凌としては思うところがあったのかもしれない。
愛華がある日の予定を凌に尋ね、その日は試合だと凌が答えたところ、「クソッ、試合か」と愛華がわざとイラついた様子で呟いたのだ。
「足?(車を出してくれる人、という意味)」と凌はすかさず聞き返していたので、気にしていないのかもしれないし、表情までは見えなかったのかもしれない。が、あの愛華の表情と口調は、同性が見ても異性が見ても、あまり感じのいいものではなかったと思う。
たぶん、あれくらい乱暴な言葉遣いをしても、イラついた表情を見せても、許してくれる男性とだけ愛華はデートをしてきたのだろう。実際、鬼のような表情でイラついている女性が、自分と同世代か10歳以上年下かでは、見え方は全く変わってくる。小動物が本気で威嚇しても、「怒る姿も可愛い……!」と思えてしまうように。