神戸山口組幹部「ライフル惨殺事件」で見えた高山若頭「3つの戦略」

「カネより暴力」の論理
溝口 敦 プロフィール

しかるべき役職にある者は高山若頭の在、不在に関わらず、必死になって職責を果たさなければならない。安東美樹組長は自分の出所後にはなったが、とにかく敵幹部のタマを挙げた。合格である。

安東組長と同じ理由で、これから早急に活躍しなければならない若頭補佐は倉本組・津田力組長、清水一家・高木康男総長あたりだろう。彼らは今後「経済」もそうだが、とりわけ「荒事」で働きを見せなければならない。

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また今回、直参に抜擢した兼一会・植野雄仁会長、杉本組・山田一組長は高山若頭にかけられた恩義に報いるため、身を犠牲にしても神戸山口組、任侠山口組を攻撃、しかるべき幹部のタマを取らなければならない。

敵の陣営から寝返った者は、かつての仲間を殺すことで働きを見せなければならない。ヤクザの宿命だろう。

 

再統合の道は消えた

高山若頭の敵に対する態度は、次に述べる3つのうち1つの選択を迫るものだ。

(1)中堅層以下については六代目山口組に戻ることも可。だから一刻も早く戻れ。
(2)首脳部については、引退、率いる組は解散。組員は六代目山口組が引き取る。
(3)神戸山口組については、井上邦雄組長など、分裂に主導的に関わった者は殺すか、引退、所払い。

おおよそ高山若頭はこんな考えでいるはずだが、神戸山口組の入江禎副組長に対しては、すでに人を介して「会えないか」という打診があったとされる。入江副組長は「会えない」と即、拒否の回答をしたようだが、当然だろう。死をチラつかされても、この期に及んで命乞いするわけにいかない。