好意が裏目に出てしまう「贈り物の禁じ手」
同じ物でも、時と場合、贈る相手によって贈り物にふさわしくないものがあります。たとえば、引っ越し蕎麦は、引っ越した本人がふるまうもので、引っ越し祝いの手土産にするのは間違い。また、慶弔ともに、昔からの言い伝えや習わしで、贈り物にはふさわしくないものがあることを知っておきましょう。
【全般】
金額、個数が 4、9 の数字
4(死)や 9(苦)を連想させるため。偶数も避け るとされるが、2(対)、8(末広がり)、10(5の対) はよい
【結婚祝い】
包丁、はさみ
「切れる」を連想させるため。どうしても贈りたい場 合は、「粗品「」謹呈」などお祝い以外の名目にする
陶磁器、ガラス食器
「割れる」を連想させるため。本人からの希望があれば贈ってもよいが、個数は奇数や2などの吉数にする
【慶事全般】
お茶
弔事でよく使われるものなので縁起が悪いとされ る 。 花 柳 界 で 暇 な こ と を 意 味 す る「 お 茶 を ひ く 」 に通じるからとも
ハンカチ
日本語で「手巾」と書くため、「手切れ」を連想さ せるため。ただし色ものや柄の入ったものはよい
櫛(くし)
「くし」は「苦」「死」を連想させるため、縁起 がよくないとされる
重箱
「箱が重なると不幸が重なる」という意味を避けるため。贈り物の数も1点にするほうが望ましいとされる
【新築、 開店・ 開業祝い】
ライター、灰皿
火事の元となるようなものは新しい門出の際の 贈り物にふさわしくないとされる。贈る相手か らの希望でも避けるべき
すぐに枯れる花
「すぐに枯れる=繁栄しない」の意味になるため。また、「火」を連想させる赤一色の花も避ける
【目上の人へ】
靴や靴下などの履物、下着
履物は「踏みつける」に通じるため。靴下や下着は、一般に「生活に困っている人に贈る物」とされ、目上の人への贈り物には不適切
筆記用具、かばん、時計
「より勤勉に励みなさい」という意味があり、本人の希望でない限り、贈るのは避けたほうがよい
印鑑
「今後の自立を促す」意味をもつため、目上の人
への贈り物にはふさわしくないとされる
【お見舞い】
鉢植え
「根付く=寝つく」といわれ縁起が悪いため。最近は花の持ち込み禁止の病院もあるので注意を
椿、シクラメン
自宅へのお見舞いでも、花が丸ごと落ちる「椿」、死と苦を連想させる「シクラメン」、また香りの強い花も不向き
(※上の一覧は、慣例に基づくもので、贈り物を受け取る本人の希望や、お互いが承知のうえであれば何ら問題はありません。)