日産・新社長の実力と、脱ゴーンのカギを握る「影の社長」

「トロイカ体制」の役割分担
井上 久男 プロフィール

キーマンは「ナンバー3」

実は内田氏とグプタ氏は共通のキャリアがある。失敗プロジェクトである「ダットサン」の2代目のプログラムダイレクター(PD)がグプタ氏で、3代目が内田氏だった。

PDとは新車開発のプロジェクトで、デザインから収益まで、すなわち上流から下流までにすべてにおいて責任をもつ役職。ゴーン氏が来日して早い段階で、技術力を誇るだけで売れなくてコストが高い車を造り続けてきた日産の体質を改めるために新設した役職だった。

 

初代PDが大失敗し、立て直しにグプタ氏が送り込まれたが、さらに状況が悪化。続いて内田氏も再建役を任されたが、結局はうまくいかなかった。こうした経緯もあって、「内田氏とグプタ氏で本当に再建できるのか」といった見方が日産OBの一部にはある。

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関氏については、一緒に仕事をしたこともある元役員がこう語る。

「防衛大卒で異色のキャリア。エンジンを中心とするパワートレインの生産技術の経験が長く、工場のこともよく知っている。Bセグメントの小型車のPDを経験しており商品も熟知している。欧米や中国でも駐在経験があり、営業も分かっているので、社長には彼が適任だと思った。唯一の課題があるとすれば、性格が明るいのはいいが、酒が入るとやや乱れる傾向にあること」