日産・新社長の実力と、脱ゴーンのカギを握る「影の社長」

「トロイカ体制」の役割分担
井上 久男 プロフィール

内田新社長の評価は?

実は、今回の内田新社長人事にも日産とルノーの間にせめぎ合いがあった。

新体制では新社長の内田氏の下、ナンバー2の最高執行責任者(COO)にルノー出身のアシュワニ・グプタ氏、ナンバー3の副COOに関潤専務が就いた。当面は3氏の「トロイカ体制」で日産を切り盛りしていくと見られる。

当初は関氏のCEO就任が有力視されていたが、西川氏に近かったことやルノーとの協業プロジェクトの経験が乏しかったことからルノー側が難色を示したとされる。

ルノー側はグプタ氏を新社長に押したが、これを日産側が拒否。結局、日産とルノーの共同購買会社での勤務経験がある内田氏を社長に就任させることで両社が折り合った経緯がある。両社対立の落としどころとして生まれた内田体制が、将来的に日産とルノーの関係をどう再構築していくのかも注目される。

グプタ氏(右)と内田氏(Photo by gettyimages)

この「トロイカ体制」の3氏がどんな人物なのかについて見ていきたい。

まず内田氏について、一緒に仕事をした経験がある日産OBは「商社から日産に転職してきた。英語がネイティブ並みにうまく、相手の立場を尊重する人格者。大きな成果をあげたわけではないが、勉強熱心で粘り強く交渉する能力は高い」と言う。学歴も同志社大学神学部を出ており、ビジネスマンのキャリアとしては珍しいと言えるだろう。

 

グプタ氏については「仕事ができるわけではないし、彼が担当してきたプロジェクトはほとんど失敗しているのになぜCOOになったかは解せないが、スナール氏が操りやすいと思ってCEOに押し込もうとした可能性が高い。日本語はうまくて明るいので、嫌われないタイプ。ゴーン氏の事件以降、暗くなった社内を明るく盛り上げる宴会部長的役割を期待されているのではないか」といった声も日産関係者からは漏れ伝わってくる。