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日産・新社長の実力と、脱ゴーンのカギを握る「影の社長」

「トロイカ体制」の役割分担

「ストレッチ」の企業文化を改める

12月1日に日産自動車の新しい社長兼CEOに就いた内田誠氏が2日、初の記者会見を開催し、抱負を語った。

会見の大きなポイントは2つあった。「日産WAY」を見直すと宣言し、カルロス・ゴーン前会長が築いてきた企業風土を変えていくのを強調したことと、仏ルノーとのアライアンスを重視していくと表明したことだ。

 

冒頭の挨拶で「私が大事にしていることは、尊敬、信頼、透明性の3つ」と内田氏は語った。その心は、従業員の声を聞いて、経営陣と現場がお互いに尊重し合いながら、透明性のある課題や目標を掲げて仕事に取組み、組織が一丸となって「ワンチーム」になるということだ。

就任後初の記者会見で抱負を述べる日産自動車の内田誠社長兼CEO(筆者撮影)

日産ではゴーン氏が支配した1999年からの約20年間、「コミットメントとターゲット」をマネジメントの基軸に置いていた。

コミットメントとは、最低限の必達目標のことであり、ターゲットとはその必達目標をさらに上回る野心的な目標のことだ。日産社内では、ターゲットに向かうことを「ストレッチする」と言った。

企業である以上、利益などの目標数値があるのは当然だが、個人や組織が限界を超えてストレッチする風土ができた。このことについて内田氏は「できないことをできるという企業文化になってしまった結果、社員から自発性が失われ、問題解決の意欲を削いだ。社員が納得したうえでチャンレジするよう変えていく」と説明した。

要は、ゴーン氏は、日産と仏ルノーと三菱自動車の3社連合の販売台数を世界1位にするべく規模の拡大に注力してきたため、できもしない無理な数値目標を掲げてストレッチする人材が評価されるようになっていたのを改めるということだ。