また、経血は空気に触れることで臭いを発生するが、カップに閉じ込められた経血は臭わない。さらに、カップに溜まった経血を見ることで健康管理に役立つという意見もある。皮膚が弱く、ナプキンを使うとかぶれやかゆみが生じるという人も、カップならその心配はない。

タンポン同様、挿入中に違和感を感じることはなく(正しく装着していればだが)、水泳や入浴も可能であるため、「制限のない生理用品」と言われている。

値段は1つ2000円から6000円と、タンポンやナプキンに比べると高いが、繰り返し使えるので、コストパフォーマンスはよい。また、繰り返し使えるということは、ゴミが出ないということだ。月経カップ愛用者のバルドゥッチ淳子さんも、この点を特に評価している。

-AD-

国産の月経カップも登場

日本で月経カップが知られるようになったのは、せいぜいここ10年といったところだが、その歴史は意外と長く、アメリカで誕生したのは1930年代である。日本で生理用ナプキンが誕生したのが1961年なので、それより30年も早い。

1980年に『婦人公論』に掲載された「生理用品国際比較」(渡辺圭著)という記事には、アメリカの「タサウェイ」という月経カップが、「ここ数年は『いちじくの葉以来の発明』との評判もとっている」とあるので、この頃すでにアメリカではよく知られていたことがわかる。

日本では、インターネットの普及とともに、月経カップの存在が知られるようになったが、それ以前はごく一部の女性が、アメリカ製の「キーパー」や「ムーンカップ」、カナダ製の「ディーバカップ」といった外国製の月経カップを入手し、使用していた。

私が『生理用品の社会史』の単行本を出版した2013年時点では、周囲に月経カップの使用者は1人もいなかったが、数年前から、「月経カップを使ってます」という女性が珍しくなくなってきた。

そして、2017年には「日本人の体型に合わせた、使いやすい仕様」を謳う初の国産月経カップ「ローズカップ」が登場している。

今年に入ってから、女性誌が次々と“生理特集”を組み、そのなかで月経カップを紹介していることから、今後、若い女性を中心に月経カップ人口は増えていくだろう。