プロ経営者・原田泳幸氏は、マクドナルドで結局「何をしたのか」

タピオカ大手の社長就任を機に振り返る
福田 健 プロフィール

4つの改革

彼が行った改革は大きく分けて4つあった。今後の流れをわかりやすくするために番号をふっておく。

(1)店舗業務を全国で標準化し、サービス力を向上、共通のマーケティング戦略で売り上げを拡大
(2)サプライヤー(食材などの購入先)の変更による効率化
(3)人員削減によるコストカット
(4)FC集約による財務体質の改善

 

(1)の店舗業務標準化から順に見ていこう。

原田がまずもって重視したのは、それまで各店舗に裁量が任されていた業務を全国で一律に標準化し、サービス水準を向上させることだった。

「マクドナルドで圧倒的に強いのは店舗だ。そしてそれを支えるのがQSCだ」(元執行役員)

QSCとは、Quality(品質)、Service(サービス)、そしてCleanliness(清潔さ)を指す。顧客に嫌な思いをさせず、再来店させる。そのために、店舗を徹底的に清潔にし、従業員には笑顔での接客やスピーディな商品提供を徹底的にたたき込んできた。そのサービス水準の高さゆえにマクドナルドは大きく成長できたのだ。

原田は、1990年代後半の店舗拡大によって崩れたQSCを強化しようと考え米国のマクドナルドで開発された「ROIP」を導入した。ROIPは1冊の分厚い本にまとめられた、いわばサービス改善の指針だ。各店舗で調理や在庫管理をどういう手順で改善すればいいのか、全世界のマクドナルドで蓄積されたノウハウのすべてがそこに詰まっている。

その他にも、それまでは本社、各地区本部からバラバラに発信されていたマーケティングキャンペーンなどの運営方針を、各店舗にわかりやすく伝達する「NABIT」、できたての商品を提供するための「メイド・フォー・ユー」などといったシステムを次々に導入した。いずれも米国で開発されたものだ。