髙橋洋一「私をファシスト、レイシストと呼ぶ議員にお伝えしたいこと」

イデオロギー先行ではなく…
髙橋 洋一 プロフィール

日本は破綻するのか?

(2)については、まず一般に企業の財務状況を見るときは、子会社を含めた連結バランスシートから判断する。それで筆者は、国の財政についても同様の見方ができると考え、今から25年くらい昔の大蔵省時代に、日本の「連結バランスシート」を作った。

政府と日銀を一体として見る「統合政府」という言い方もあるが、国ベースで連結バランスシートを作ると、日銀は会計上の子会社となるので、当然含まれることになる。こうして国家の財政をバランスシートでみると、借金の金額ではなく、資産のバランスが問題になる。

日本の状況を連結バランスシートからアバウトにいうと、資産1000兆円、負債1500兆円だ。しかし、負債は国債1000兆円と中央銀行券等500兆円にわかれる。

 

中央銀行券等は、正確にいえば中央銀行券と中央銀行当座預金に分けられるが、中央銀行当座預金は中央銀行券と代替可能なので、理屈上すべて中央銀行券と考えてもいい。中央銀行券は、無利子無償還なので経済的な意味での債務とは言いがたく、資産1000兆円、実質負債1000兆円というのが現状である。

さらに、簿外資産として徴税権がある。そのため、会計的には日本の財政は大丈夫、という結論が導ける。

ファイナンス論から見れば、現在、日本が破綻する確率は今後5年間で1%程度と計算できるので、これまた心配する必要はない。

この見方に基づけば、国債を発行しても資産として残るのであれば、財政状況は悪くならない。つまり、将来投資のために資産が残るのであれば、国債発行による財源確保が可能になる。

もちろん国債と言っても返済が必要だが、日銀が市場から購入した分はロールオーバー(持ち越し)可能だ。一般的にも借り換えは行われているし、社会全体でみればロールオーバーしているので、返済の必要を過度に強調する必要はない。これらを総合すれば、資産の残るものについては国債を財源にできると言ってもいい。