髙橋洋一「私をファシスト、レイシストと呼ぶ議員にお伝えしたいこと」

イデオロギー先行ではなく…
髙橋 洋一 プロフィール

筆者の書いたものや話した記録をみればわかると思うが、ファシスト、レイシスト呼ばわりされるような内容のものはない。また、筆者は理系出身の数量政策学者であるので、イデオロギー先行で語ることはない。イデオロギーとロジックやデータを峻別しており、後者に基づいて論じている。

左派系の人に限らず、世の中にはイデオロギーとロジック・データを混同したり、イデオロギーのみで語ったりする人が多い。そうした人たちはすぐ出口のない言い争いに陥りがちだが、筆者はロジック・データで語るので、どのようなイデオロギーの人とも対話が可能だ。右派でも左派でも呼ばれれば講演をするし、依頼を受けた事項以外に余計な話をしないことは言うまでもない。

 

講演の中身は「日本の財政破綻の可能性」

今回の勉強会で依頼されたのは、日本財政の破綻の可能性についてである。本コラムの読者であればご存じかもしれないが、もとになっている資料は、筆者が官僚時代の25年前ほどに作成した政府の連結バランスシートだ。

これを読み解くには、公会計の知見が求められるし、財政の破綻可能性について検討するときは、ファイナンス論や金融工学の出番だ。それらの各論では、社会保障論、租税論、マクロ経済学の知見も用いる。

これらはすべて既存の理論であり、いわゆる新手のMMT(現代貨幣理論)は一切用いていない。ちなみに、MMTを日本へ導入した代表的な論者によれば、その数式表現は筆者がリフレ理論を定式化したものと同じだという。

いちいち目くじら立てて批判はしないが、MMTを「新理論」と言うのは間違いだろう。一部の人々が、政治運動のために利用しているだけという感じだ。