共通テスト「国語の記述式」が実施された時に起きる、ヤバすぎる事態

SNSは地獄と化す
伊藤 氏貴 プロフィール

当事者たちからの疑問

英語における民間試験の導入が見送られたことに関しては、高校生自身が声を上げたことが大きい。彼らにとっては人生を揺さぶる一大事であり、大人たちの都合で勝手に制度を変えられてしまったのではたまらない。彼らの声を受けて、文科省が見送りを決めたこと自体は英断だ。

しかし、高校生たちは国語の記述式問題にも非常に危険なものを感じていた。彼らの危機感は主に採点基準に関してである。自分たちは正しく自己採点できるのか、また自分の答案は実際はたして公平に採点されるのか。当事者としては切実きわまる問題である。

首都圏の高校生グループが、インターネット上で中高生や教師たちに呼びかけて自己採点の再現実験を行った。公開されている問題と採点基準を使い、いくつかの解答例を参加者に採点してもらう。結果、非常に大きなばらつきが出た。

ある解答例に関しては、a,b,cの三段階評価で、aとしたものが10.6%、bが8.3%、cが55.3%とばらけるが、さらに「判定不能」としたものが25.9%に上った。しかもこの採点をしたのは、現役あるいはリタイアした教師や予備校講師を含む大人のグループなのだ。これで高校生たち自身にきちんとした自己採点などできるはずがない。

 

SNSによる危険

いや、実際の採点も果たしてどうなるか。自己採点と大きくずれていた受験生から疑問や不満が噴出するだろう。

採点に対する疑問を提出しても受け入れられなかった者はどうするか。SNSで自分の解答と採点結果を晒して不満を公にするだろう。