ご成婚5年で始まった不妊治療

1998年(平成10年)6月、ご成婚5年を迎えると、とうとうご懐妊に向けて積極的な介入が始まった。8月に入ると、宮内庁医師団がご夫妻に対し、具体的に検査や治療についての説明をしたと言われる。

当時、陛下は38歳、雅子さま34歳。自然な形での妊娠を望んでいたおふたりも、決断の時が来たことを納得し、宮内庁病院で詳しい検査を受けられた。
それまで、懐妊できない原因は雅子さまにある……という一方的な見方がなされていたが、この検査結果が出たことで、雅子さまは少し安堵されたかもしれない。

1998年12月4日、9日に35歳の誕生日を迎える雅子さまの記者会見 この直後から本格的な治療がスタートしたという 写真提供/宮内庁

翌1999年、いよいよご懐妊に向けて本格的な治療がスタートした。

腹腔鏡による不妊治療のエキスパート、東大医学部付属病院の堤治教授が月2回ほど宮内庁病院に来て治療を行う。長時間にわたる治療にも、おふたりは前向きに取り組まれていたという。

不妊治療は、とりわけ女性の身体に負担がかかる。時には体調が優れないことがあっても、雅子さまは笑顔を絶やさなかった。精神的にも肉体的にも辛い治療が続く中で、雅子さまは陛下のお気持ちを気遣い、また、陛下も雅子さまを支えられて、ご夫婦の絆はさらに深まっていった。そして何よりも、子供を授かれるかもしれないという希望が、おふたりを支えていたのではないだろうか。