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東北電力・女川原発、安全審査「合格」で早期再稼働は可能なのか

新たな課題も見えてきた
町田 徹 プロフィール

それなのに、女川原発は、東北電力が政治力やマスコミ向けの発信力が乏しいせいか、関西、九州、四国など被災していない原発だけではなく、東電、日本原電と言った被災した原発の中でも審査を後回しにされ続けた。

今回、ようやく、規制委員会は女川2号機の安全対策の基本方針について、新規制基準に適合していると判断した。これは、規制委員会として建築基準に関するお墨付きを与えたとものと考えていただけばよいだろう。12月に予定されている意見公募(パブリックコメント)や経済産業大臣への意見聴取を経て、正式合格になるとされている。

しかし、予断を許さない。立地自治体の同意や、重大事故を想定した広域避難計画に焦点が移り、これらが了承されないと、規制委員会が最終的なゴーを出さない可能性が高いからだ。そうなれば、2年後をめどとしている現在の東北電力の再稼働計画がとん挫しかねない。

 

実際、建築基準のお墨付きまでは、東電・柏崎刈羽原発と、茨城県にある、日本原子力発電の東海第2原発も漕ぎ着けたが、両原発は、難関の地元の同意取り付けに苦戦しており、再稼働の目途がたっていない。

ちなみに、東北電力は女川原発を日本一の耐震性や津波対策を施した原発にする補強工事を行っている最中だ。海側から見ると、すでに巨大な防潮堤に囲まれた女川原発の姿は以前とまったくの別物になっている。

が、こうした補強のため、実際に再稼働できるのは早くても2年程度先になる見通しだ。地元では、工事の万全を期すため、工期延長も取り沙汰されていると聞く。

こうした補強のほかに、筆者が東北電力の対応が東電と比べて誠実だと思うのは、東電が柏崎市が要求している柏崎刈羽原発の1号機から5号機の廃炉についてなかなかはっきりしたことを言わず、再稼働の駆け引きに使っているのに対して、東北電力が女川1号機の廃炉を早々と打ち出していることだ。