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東北電力・女川原発、安全審査「合格」で早期再稼働は可能なのか

新たな課題も見えてきた

地元の同意を得られるか

8年8ヵ月を経て、東日本大震災で津波に見舞われた東北電力の女川原子力発電所2号機が11月27日、原子力規制委員会の安全審査に事実上合格した。

あの震災では、東京電力の福島第一原子力発電所が人類史上最悪の原子力事故を起こしたのに対し、女川原発は、被災に耐えたばかりか、震災から3ヵ月弱の期間、地震と津波で住まいを失った周辺住民364人(ピーク時)を受け入れて避難所の役割も果たした原発だ。

女川原発の全景(2019年1月撮影)

この辺りの話は、筆者の著作『電力と震災』(2014年2月、日経BP社刊)に詳しく書いたので、興味のある方はぜひ読んでほしい。

しかし、それほど頑丈な原発も、再稼働となると、予断を許さない。というのは、原発から半径30km以内の立地自治体(女川町、石巻市、宮城県)の同意や、重大事故を想定した広域避難計画が次の焦点となるからだ。

とはいえ、女川原発の早期再稼働は、地球温暖化対策や東北地方の廉価で安定的なエネルギー確保、そして震災でボロボロになった東北電力の経営の立て直しといった面から不可欠である。どうすれば、地元の同意という課題を克服できるのか考えてみたい。

 

原発の再稼働と言うと、今なお、福島第一原発のような重大事故が再発しないか不安を覚える人が少なくないのではないだろうか。

新聞報道によると、被爆地の長崎、広島を11月24日に訪ねて、核兵器の廃棄を訴えて大きな話題になったローマ教皇フランシスコもそんな一人なのかもしれない。東京からローマに戻る機中で記者会見し、原発についても「完全に安全が保証されるまでは利用すべきではない」と明言したという。

しかし、筆者は、すべての原発を十把一絡げに論じるのは反対だ。新聞記者時代から継続している電力各社の取材に加えて、東日本大震災以降、建設中の大間のほか、東通、女川、浜岡、高浜など各地の原発を毎年のように取材して回り、資料を読み込んだ結果、その思いは募る一方である。