快進撃を続けるユニクロの「ブラトップ」

一方で、2008年に誕生したユニクロのブラトップが快進撃を続けている。「ブラを付けるストレスからの解放」「ブラを付けているかのような安心感」を両立したブラトップは、発売から5年後の2012年にはデザインを刷新し、約110色柄の豊富なバリエーションを展開するに至った。

〔PHOTO〕ユニクロ公式サイトより

その後も機能性とデザイン性の改良を試み、CMにも吹石一恵や森絵梨佳など人気女優やモデルを起用することでイメージアップを試みる。その結果、今までピーチ・ジョンを嬉々として付けていたような女子たちも、ブラトップの虜になっていったのだ。

オーバーサイズのゆるっとしたワンピースやデニムのインナーには、やはり快適なブラトップが相応しかったという事情もあるが、結果的に今ではブラトップは日本女性の必須下着になりつつあると言えるだろう。

このように、世界的にファッションやライフスタイルの流行が、他者の視線よりも自分の心地よさを追求するエフォートレスな(肩の力が抜けた)方向に向かっているのである。

勝負下着にも変化が

女性たちの下着の好みが変化するにしたがって、「勝負下着」という言葉の意味も変わってきた。バブル期に生まれたこの言葉は、かつては男性に向けての勝負を意味していた。セクシーな下着をつけて、条件の良い三高の男性をゲットする。すなわち、誘う下着、誘惑の小道具としての下着という意味だった。

〔PHOTO〕iStock

バブル期の下着をめぐる状況を分析した上野千鶴子は、女はどういう基準で「パンティ」を選ぶのか 、「セックスアピールかナルシシズムか」(上野千鶴子『スカートの下の劇場』)と問いかけた。確かに、下着がファッション化する前の80年代の女性たちはまだこの二つの狭間で揺れていたのだろう。

しかし、時代ともに「パンティ」も死語となり、女性たちが下着を選ぶ基準も移り変わっていった。90年代以降は下着のバリエーションも驚異的に増え、目移りするほどの色や柄、デザインのブラジャーやショーツが下着売り場に並び始める。そして、女性たちが自分の気分を大切にして下着を選ぶようになり、しだいに勝負下着の意味も変化していくのだ。