芸能人「10年以上前から薬物」報道…一体どれくらいの依存度なのか

ゼロからわかる「薬物依存症」(後編)
原田 隆之 プロフィール

アルコール依存症に関しては、世界保健機関(WHO)が開発したAUDITというツールがある(2)。これは10項目でアルコール依存度がスクリーニングできるものだ。

飲酒頻度、量、意図していた以上の飲酒をすること、記憶がなくなるまでの飲酒、飲酒による自責の念などの項目で査定する。満点が40点で、8点以上で問題飲酒、15点以上で依存症の疑いとされる。

たとえば、週4回ビール大瓶2本飲み、週に1度は飲みすぎてしまい、記憶をなくすことも月に1〜2回あり、そのたびに自責の念に駆られ、過去1年の間に家族や友人に飲みすぎだと言われたことがあるならば、スコアはすでに20点を超え、アルコール依存症の疑いが濃いという判定になる。

 

厚生労働省の研究班の調査によれば、日本ではアルコール依存症者は109万人、その疑いのある者(AUDIT15点以上)は294万人、リスクの高い飲酒者1,039万人、多量飲酒者980万人とされている(3)。つまり、成人の4分の1は問題のある飲み方をしているということだ。ちなみに、多量飲酒の基準は、1日に純アルコール60g以上とされているので、ビール中瓶3本、日本酒なら3合、ワインならグラス6杯程度である。

また、ニコチンは非常に依存性の高い薬物であり、喫煙者の90%以上はニコチン依存症だと言われている。禁煙が難しいのはこのためだ。わが国の喫煙者は、年々減少しているものの、それでもおよそ2,000万人の喫煙者がいる(4)

合法か違法かの違いはあっても、依存症であれば、心身に悪影響を及ぼしたり、社会的な問題を引き起こしたりするのは同じである。依存症を「他人事」としてとらえてはいけない理由はここにある。