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芸能人「10年以上前から薬物」報道…一体どれくらいの依存度なのか

ゼロからわかる「薬物依存症」(後編)

芸能人の薬物問題が次々と起こっている。そもそも「薬物依存症」とは一体何か? 意外と知らない薬物の依存度と害の大きさについて、わかりやすく解説していこう。

前編はこちら:芸能人の逮捕続々…ゼロからわかる「薬物依存症」超入門

依存症の診断

一般に、強い依存性のある物質を、大量に長い期間使用していればいるほど、依存症は重症になると考えられるし、多種多様の薬物を乱用しているほど、心身への害は大きくなる。

実際、芸能人の薬物報道などでは、「10年以上もの期間、大麻、コカイン、MDMAなどを用いていたから、依存症が深刻だ」などと報道されることもあるし、裁判でもそのように判定されることがある。

とはいえ、事はそう単純ではない。人によって依存症になりやすい脆弱性は異なるし、長い期間乱用していたといっても、使用の方法(注射か、吸引かなど)や頻度によっても違ってくる。

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したがって、依存症の程度を正確に判定するには、国際的な診断基準に則って専門医が正しく診断する必要がある。

診断基準には、使用頻度や量の増加、耐性の存在(昔の量では効果がなくなり量が増えること)、渇望や離脱症状があること、やめようとする努力が失敗に終わっていること、社会生活や職業生活に害が出ていること、そしてそれでもやめられないことなどが含まれている。

 

さらに、重症度の判定には、科学的に妥当性が検証されたツールを用いることが必要である。世界中で最も広く用いられているのが、嗜癖重症度指標(Addiction Severity Index: ASI)という包括的質問紙である(1)

しかし、これは項目数が多く、網羅的かつ専門的なので、より簡便な質問紙もいくつか開発されている。こうした専門的なツールで、使用薬物の種類、量や頻度、使用方法、社会的な機能の障害などを判定する必要がある。

(1)McLellan AT et al. (1992) Substance Abuse Treatment, 9, 199-213.