キツイ言葉に受け取られないように…

3 大阪人の「知らんけど」に救われた

部下をほめるのは簡単だけど注意するのが難しい、という相談を受けます。私も苦手で、感情的な言い方になって相手が殻にこもってしまったり、反発されてしまうこともあります。もっと論理的に伝えればよかった、相手のプライドを傷つけずに伝えるにはどうしたらよかったのだろう、と日々悩みながら試行錯誤しています。特に私は目つきが鋭いのと(よく目が笑っていないと言われます)、てきぱき話してしまうのできつい印象を与えてしまうようです。自分ではよかれと思って言ったアドバイスに、相手が過度にショックを受けて泣いてしまうこともあります。

そこで生み出したのが「知らんけど」作戦です。TVで大阪人がわーっとしゃべって、なぜか最後に「いや、知らんけど。」というのを聞いて、試しに取り入れてみました。私はつい、てきぱきと言い切り型で話してしまうくせがあるので、最後に「いや、分からないけど。」と言うようにしました。「あのミーティングの進め方、もっとこうした方が良かったんじゃないかな、いや、分からないけどね」とこんな具合です。

「どっちやねん!」と突っ込みたくなるかもしれませんが、語尾につけるだけでグッと印象が柔らかくなるようで、部下から「でも自分としては○○と思ってこうしたんです」というような、健全な議論につながるようになりました。ちょっとした言葉ですが、「あぁこの人も悩みながら話しているんだな」と分かってもらえる効果もあるし、自分でも勢いよく話したあとにちょっと冷静になれる魔法の言葉です。これに限らず、一方的な話し方にならないように、時には余白を意識したコミュニケーションがお互い必要なのかもしれません。いや、知らんけど。

一方的なキツイ物言いにならずに、印象を面白くして相手に余白を与えることが自然にできる。大阪人のユーモア、素晴らしい! Photo by iSotck

最後にひとつだけ。部下の体調管理のうち、最近よく眠れているかどうかをぜひ気にかけてあげてください。人事の経験から、精神的に追い込まれている人の初期症状に睡眠障害を挙げる人が多いと感じています。「やあ、元気?」と聞いて「元気じゃありません」と答える人は少ないです。

部下の体調が気になったら「どう、最近よく眠れてる?」と聞いてみてください。「最近あまり眠れなくて……」という答えが返ってきたら要注意。プライベートでの悩みを抱えていることもありますので、産業医への面談を勧めることは何も悪いことではありません。早めに心の黄色信号をキャッチして、みんなが楽しく元気で働ける職場づくりができたら良いですね。

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