芸能人の逮捕、続々…ゼロからわかる「薬物依存症」超入門

違法薬物とは何か、なぜ依存するのか
原田 隆之 プロフィール

違法薬物とは

現在、さまざまな薬物が条約や法律で規制されている。一時「危険ドラッグ」のブームがあったように、その種類は増えるばかりである。違法薬物のなかには、かつては合法的に使用されていたものもあるし、合法な薬物でも違法薬物に優るとも劣らない害があるものもある。

どの薬物が違法で合法化を決めるのは、もちろん法律である。そしてその法律の根拠となるのが薬物に関する2つの国際条約であり、いずれも国連条約である。

1つは、「麻薬に関する単一条約」である。これは、それまで乱立していた薬物に関する条約を一本化したもので、主に植物由来の「伝統的な」薬物を規制するものである。ケシの樹液から作られるアヘン、それを精製したり化学的に合成したモルヒネやヘロイン、麻の一種である大麻(葉や蕾を乾燥させたものはマリファナ、樹脂はハシシと呼ばれる)、南米アンデス地方にしか生えないコカという木からつくられるコカインなどが代表的なものである。

 

もう1つは、「向精神薬に関する条約」で、これは化学的に合成された比較的新しい薬物を規制するものであり、覚せい剤、LSD、MDMAなどが含まれる。覚せい剤には、主にアンフェタミンとメタンフェタミンがあり、後者は日本人薬学者が世界で初めて合成したものである。

世界で最も多く乱用されている薬物は大麻であるが、それは世界中に自生しているし、栽培が容易であるから、入手しやすいことが大きな原因である。国連の報告(1)を見ると、世界で約1億9千万人が乱用しているとされている。

2番目に乱用が多いのは、かつてはヘロインであったが、近年覚せい剤が2番目となっている。乱用人口は3,400万人と推計されている。これは、やはり比較的入手しやすい化学物質から容易に密造できるという理由が大きい。

90年代以前は、ほぼ日本でしか乱用されていなかったものが、アジア、オセアニア、西ヨーロッパ、アメリカなどに一気に乱用が広がってしまった。

(1)UNODC(2018) World Drug Report.