渋野日向子ら大活躍のウラで…女子プロゴルフ界の「厳しすぎる現実」

諸見里しのぶも涙した…
週刊現代 プロフィール

諸見里が語る「戦い」

日本の女子ゴルフの次代を担う選手として期待されていた諸見里のプレーに陰りがみえるようになったのは、'13年シーズンの途中で左脇腹の痛みを感じてからだ。

「普段は痛まないのに、いざプレーするとズキズキと痛むんです。いろいろな病院を紹介してもらって、CTやMRIといった検査も幾度となく受けましたが、原因がわからなかった。

『まだ20代なのに、なんでこんな目に遭わなければいけないの?』というもどかしさがありました」

 

ようやく判明した病名は「肋軟骨痛」。肋骨と胸骨の関節に起きる炎症で、医者からは「完治は不可能」と宣告された。

「様々な治療を受けるたびに『今度こそ』と期待して、それでもコースに出てみるとやっぱり痛い。納得できるトレーニングは最後までできなかった。周囲の方も状況を理解してくれているぶん、いっそう辛かったです」

騙し騙し、コースに立つのがやっとの日々。いつしか諸見里のゴルフは、他の選手たちとではなく、自分の痛みとの絶え間のない戦いへと変わっていった。

そんな諸見里の心の支えになっていたのが、前出の上田だった。

「桃子は、身体のことや精神的な不安を、一番腹を割って話すことができた仲間でした。

思えば、若い頃の私はかなり尖っていて、『自分のプレーが一番大事。強ければそれで良し』と信じてやまなかった。

18歳からしばらくの間は、桃子ともほぼ口を利かなかったんです。ライバルなのだから気安く接してはいけないのだと思い込んでいた。

それが、ケガに悩むようになってから、同世代の仲間のありがたさや優しさに気づくことができた。

先が見えない治療の日々は辛かったけれど、勝つこと以外の喜びを知ることができた自分は、幸せ者だったと思います」

長く厳しい道のりを歩き続けてきた彼女たちは、それぞれ戦いに自分なりの区切りをつけて、フェアウェイを去っていく。

発売中の『週刊現代』ではこのほかにも「生活習慣病の薬とサプリ この組み合わせが危ない」「どこも書かない東京五輪の舞台裏」「これから3年 この国で起きること」などを特集している。

「週刊現代」2019年12月7・14日合併号より

週刊現代の最新情報は公式Twitter(@WeeklyGendai)で