韓国・文在寅政権の誤算…狂った日韓の「コンノリペ」が招く泥沼

GSOMIA延長、その核心にあるもの
牧野 愛博 プロフィール

指揮権は韓国軍に移るのか?

海外の米軍基地で最大の規模を誇る京畿道の平沢基地(キャンプ・ハンフリーズ)は、黄海を挟んで中国と指呼の距離にある。米軍をできるだけ、中国領土に近づけないという「接近阻止・領域拒否(A2AD)戦略」を取る中国に対し、第1列島線の内側に存在する在韓米軍と在日米軍の基地は貴重な存在だ。

ただし、米国が、韓国が思い描くように在韓米軍を使うとは限らない。米国は今後、在韓米軍を「北朝鮮の脅威」ではなく、中国に対する抑止力として使う可能性が高い。歩兵部隊が撤収すれば、在韓米軍が朝鮮半島外に展開する余地が更に広がるからだ。

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そして、「米韓同盟に頼りすぎない国防政策」を掲げる文在寅政権は、知らず知らずのうちに、こうした米国の戦略を後押しする結果を招いている。

朝鮮半島有事の際の作戦統制権(指揮権)を、米軍から韓国軍に移管するという政策だ。

 

米韓両軍は連合軍という形態を取る。同盟軍である日米の場合、それぞれに独自の指揮系統があり、常に調整メカニズムと呼ばれるシステムを使って歩調を合わせている。一方で米韓連合軍の場合、指揮系統は1本で、現在は在韓米軍司令官が米韓連合軍司令官を兼ねている。

米韓は、有事の指揮権を韓国軍に移すには3つの条件が必要だとしてきた。(1)韓国軍による指揮統制能力、(2)北朝鮮の核・弾道ミサイルに対する韓国軍の初期対応能力、(3)朝鮮半島周辺の安全保障環境の安定──の3条件だ。