韓国・文在寅政権の誤算…狂った日韓の「コンノリペ」が招く泥沼

GSOMIA延長、その核心にあるもの
牧野 愛博 プロフィール

11月18日、金氏はワシントンに向かった。ホワイトハウスで「輸出規制措置の撤回がなければ、GSOMIA延長もない」という自分たちの主張を認めてもらうためだった。

だが、面会したポッティンジャー大統領副補佐官(国家安全保障担当)の答えは、「GSOMIAは延長してほしい。日韓関係の問題は両国で解決してほしい」とにべもなかった。

この会談が契機になった。後は22日の電撃的な発表へ向かうしか、文在寅政権には残された道はなかった。

 

「不気味な予兆」

金鉉宗氏がソウルに戻った翌日の11月21日、韓国保守系大手紙・朝鮮日報が「米国が在韓米軍第2師団所属の第1戦闘旅団の撤収を検討」と報じた。この旅団は歩兵約4000人、戦車50両以上などで構成されている。この報道を不気味な予兆と捉えた韓国の軍事専門家は大勢いた。

「在韓米軍は2万8500人、4000人減ってもまだ2万人以上いる」という計算は早計だ。この第1戦闘旅団は在韓米軍唯一の歩兵部隊である。残る在韓米陸軍には、多連装ロケットを主力とする砲兵部隊とアパッチ攻撃ヘリを主力とする航空支援部隊、計約7000人しか残らない。海軍は司令部だけだし、空軍兵力は1000人程度に過ぎない。残りは、連絡将校など非戦闘要員ばかりだ。

韓国・北朝鮮の軍事境界線に配備された韓国軍兵士と米軍兵士(Photo by gettyimages)

韓国政府元高官は「第1戦闘旅団がいなくなっても、米軍のインド太平洋戦略には何の影響もない」と語る。米軍がインド太平洋で想定する最大の脅威は中国だ。中国に対抗するのは弾道ミサイルや海空軍であって、陸軍ではない。

韓国の軍事専門家は、日本の一部専門家が指摘している「在韓米軍の撤収」はあり得ないという見方で一致している。私は11月、豪州を訪れたが、当地の専門家たちもやはり「在韓米軍が朝鮮半島からいなくなることは考えられない」と答えた。理由は中国だ。